丁寧な大騒ぎ

想いが今 クリアになっていく

わたしの好きなバンド、4人中3人が脱退するって

聞いたことないよ。4人組バンドなのに3人脱退するだなんて話。斬新すぎる。あんまりにも複雑な感情になったので、こんな経験したこともないしする予定もなかったし今後もしないと思うから、まとまりはないんだけれど感じたことを全部書いておこう。あ、いや、やっぱりできるだけ全部ってことにしておこう。

 

 

まず初めに言いたいのは、わたしはアイビーカラーが大好きだってこと。

 

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日本橋三井ホールでの2/23のホールワンマン。わたしにとっては3年ぶりのアイビーカラーのライブだった!)

 

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3月7日(火)

最近なんだか携帯を使っている時間が増えている気がするな、肩こりヤバすぎるし少しでいいから少しずつでいいから離れよう……な~んて思いながらTwitterを閉じて携帯を放置したつもりだったのに、1時間半ほど経ってから休憩と称して(いつだって自分に甘い)Instagramを開いた。21時。フィード投稿のトップにアイビーカラー公式アカウントの投稿が見えた。

とりたてて更新頻度の低いアカウントというわけではないけれど、逆にそこまで頻度が高いわけでもないし、それに公式アカウントの投稿タイミングで自分がちょうど投稿を目にすることが滅多にないということなどをひっくるめて、咄嗟に「ふ〜んめずらしいな~」と思って投稿を見やった。

 

メンバー脱退のお知らせ、という少し大きめの文字と細かな文章が続いているのが見えた。まってくれ。ついこの間WEAVERのラストライブに行ってきて、sumikaにかなしいできごとが降りかかって、一時期よく聴いてたな~というバンド(しかも2つ)の解散を知ったところで、いやいやなんの連鎖。はあ。まってくれ。3月に悲しい未来を予告するグループは、V6で最後にしてほしかった。

 

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脱退するのはよしひろさんかな、と瞬間的に思った。

 

わたしはアイビーカラーの音楽が好きだけれど、ここ最近は新曲も追ってないし、メンバーのSNSアカウントも佐竹さん以外フォローしていないから各人の日頃の様子とかも追っていないこともあってそもそもそんなメンバーのことにも詳しくないし、それどころか佐竹さんのインスタライブだってぜんぜん見れていないし、そもそもアイビーカラーを知ったのは2019年とかだから結成して前半3年?4年?のことは当時の曲以外になんにも知らないし、ほんとなんかね、ぜんぜんアレなんだけど。新規ではないつもりけれど古参でもないし。「あのときのなんとかくん、どうちゃらこうちゃら~だったからァなんちゃらかんちゃら~だと思ったよォ」って語るようなアレじゃないんだけど。

なんとなくよしひろさんってアイビーカラー以外の場所にも居場所を作って、ドラムも好き、アイビーカラーも好き、ってかんじのラフなスタンスの人なんじゃないかなって思っていた。多趣味で多才のひとって覚えていたからだと思う。でもほんと知らないよ、いま適当に話してます。責任持てないのに発信してごめん。

 

わたしの予想は合っていたけど、100%は合っていなかった。脱退するのはよしひろさんだけじゃなくて、さえさんと、なおさんもだった。え?ん?お?んんん?意識的にまばたきを10回くらいして読み返したけど別に読み違えたわけでもなかった。念のため眼鏡も替えて読み返すことを試みたけれど、やっぱり読み違えたわけではなかった。意味が、あまりよく理解できなかった。アイビーカラーは4人組バンドで、そのうち3人が脱退することを「脱退のお知らせ」とする意味が。

 

佐竹さんは1人になるの?1人で「アイビーカラーの佐竹惇です。それでは聞いてください、夏の終わり」とか言ってライブ始めるの?それは弾き語りなの?1人でグループって組めるの?1人だともうバンドって言えないよね?なにをやるの?佐竹さんがベースもドラムもピアノもやるの?いや、やらんよね?佐竹惇(Vo., Gt., Ba. & Key.)ってなるの?なっが。かっこよ。というか、そのまえになんでこうなった?悲しいとか寂しいとかそういった感情が押し寄せるよりも早く、「なんで???????????」に心が支配されていた。なんで?

 

 

よく見たらお知らせの画像が1枚ではなく、メンバーのコメントが続いていたことに気づいた。読んでみる。以下、お知らせからの引用とわたしの感想。

 

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佐竹さん

僕以外のメンバーが脱退することになりました。

改めてインパクトのある語り出しだな。

ちょうど1年前からアイビーカラーとしての今後の活動を……

はい出た。はい出たあ。期間を知らされるのは交際期間を知らされる並みにつらい。どんな人も人生オールウェイズ順風満帆ってわけにいかないのはわたしだって人だからわかるんだけれど(?)”方向性のズレのはじまりのとき”みたいなのを知るのはつらい。だってみんな幸せに生きててほしいんだもん。

それでも何とか先の予定を作り、(中略)、走り抜けてきました

まって。そんな佐竹さんつらい思いしていたの。つらい。読んででつらい。演奏中にバンドメンバー全員が音を操れるけれど言葉を操れるのはボーカルの特権だから、やっぱりボーカルが言葉の主って感じがするから、だからどんなバンドの解散云々のときにもわたしはいつも「ボーカルのわがままなのかな」って思っちゃう節がある。ほんとはそんなことばかりじゃないだろうけど。でもこれだけ読むと、佐竹さんが置いてけぼりになっちゃうんじゃないかって急に不安になってしまった。なんとも身勝手な読み手である。

 

で、もう少し佐竹さんの言葉は続くのだけれど、結局いまひとつわからなかった。

 

さえさんのコメントを読んだときに思ったことはね、さえさんは誠実なひとなんだなということ。でもすごく読んでいてつらくなった。つらい気持ちを正直に打ち明けてくれてうれしい反面、すごくやるせなくなった。さえさんのキラキラした笑顔をもう見れないの、嫌だな。

 

なおさんのコメントはすごくシンプルだし正しい感じがする。多分、伝えたいことと伝えられることといろんなことを天秤にかけて、それで出来上がった文章だと思う。当たり前といえば当たり前なのだけど、こちらが何もできないという事実を突きつけられた感じがしてしまって、一息で読めてしまう分、なんだか苦しくなった。

 

よしひろさんはさあ、もうね、ごめんね笑っちゃうよ。だって想像した通り過ぎるんだもん。潔い。なんっにも取り繕わないんだね。燃え尽きたって言われたらもう誰も何も言えないでしょ。

 

『ハッピーエンド』を聴いてちょっと泣いて、寝た。

 

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3月8日(水)~

とりあえず考えるのをやめることにしてみた。心がもやもやして前への進み方が分からないとき、ひたすら悩むとか泣くとか、そういうフェーズがあるのは至極健康的なことだと思っているのに、うまくできなかった。

 

でもなんだかんだやっぱり考えてしまう。sumikaの曲は今もなお聴いていいのかわからなくて聴けていないのに、アイビーカラーの曲は翌日の朝の通勤時にはもう躊躇いもなく聴きまくっていた。メンタル強いのか弱いのか、自分が今何を考えているのかすら本当にわからなかった。わかることといえば、いい曲がいっぱいだということ。いつでもわたしは大好きなアイビーカラーの曲を手元で再生できる。いい時代だね。

 

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しばらくすると猛烈に腹が立って仕方なくなった。わたしはまだどうしたいか気持ちの整理がついていないのに、アイビーカラーはもう「現体制の終活」を始めている。なんなの?ラストライブって何なの?って。

 

アイビーカラーはどこまでいってもアイビーカラーのものなので、というのもいくらファンの存在がメンバーたちや曲作りに大きく影響を与えようともアイビーカラーがどうありたいかどうなりたいかを決めることができるのは絶対的にアイビーカラー(メンバー含む”提供側”)だけだから。本質的に進退を決めることができるのはファンではないってことを、わかってはいるけれど。何なの?ラストライブって、ラストなの?

 

こないだホールワンマンやったばっかりじゃん!その時点ではすでにもう決まっていたのかな。詳細が100決まっていなくても、0ではなかったってことだもんね。たくさん泣いていらしたもんね。正直「夢がかなった」ってMCで何度も言っていて、もっと上(わかりやすく言えばもっと広いキャパの会場を埋めること)を目指さないのかなって思っちゃって、そしたら「いつか武道館で~」と仰るもんだからそれはそれで意外だったけれど野心あるんだ!夢見せてくれるんだ!いいねいいね!とか思っていたよ。そのときの言葉はそのときの言葉であって、別にね、なにも嘘をついたりこちらを騙そうとしたりしていたわけじゃないことはわかるけれど、やるせない。

 

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3月10日(金)

友達が「当人の言葉を聞くのって大事だからそぱちゃんの心に余裕があれば聞いたらいいと思うよ」と言ってくれて本当に助かった。ありがとう。この件を知ったとき、申し訳ないけれど彼女に甘えさせてもらおうと思ったので、優しく話に付き合ってくれて本当に助かった。

 

佐竹さんがインスタライブで心境を話してくれることになった。

 

この日、眠かったんだか疲れていたんだかwi-fiの調子が悪かったんだったかなんだったかで(別に泣いて暮らしていたわけではないよ)結局聞かなかった。アーカイブを残してくださることを知って、落ち着いたときに聞くことにした。

 

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3月11日(土)

全くアイビーカラーとは関係ないのだけれど、この日はとある映画を見て、主人公がバンドを組んでいたこともあって「バンドを組んで人生をかけてきたことが如何にすごいか」に思いを馳せてしまい号泣していた。この映画の話はまたいつか。2月のワンマンで、昔は東京でやっても大阪でやっても全然お客さんが入らなかったという話を聞いたばかりだったからかな。

 

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そのあと

佐竹さんのインスタライブのアーカイブをようやく再生した。アーカイブ配信って途中停止とか巻き戻しがができないから腰が重くなる。

 

まずわたしがこの数日間ずっと勘違いしていたことがあって。サポートメンバーを入れるというのは新体制のバンドとして組み直すというわけではない、ということを知れたのが一番大きかった。アイビーカラーは佐竹さんひとりでやる(と、言葉にするとちょっと怖い)。

ただ、曲を作る上で、というかアイビーカラーの音楽として完成させる上で、佐竹さんひとりでは作らないということを理解できて良かった。もし今回の件が佐竹さんの「ソロ活動がしたい!」に端を発したのならば、アイビーカラーは解散を選んだんだろうな。

3人と過ごして築き上げてきたアイビーカラーを背負うことになる佐竹さんに、どうか背負い過ぎないで欲しいと伝えたい。でもしっかり背負っていて欲しいとも伝えたい。背負い疲れたとき、どうやって休めばいいかわからなくなってしまうんじゃないかと今からそれが心配になる。

 

かっこ良く言えば誰かの心や記憶に残っている限り(それはわたしの世界の話で言えばわたしの心や記憶に残っている限りということになるのだけど)アイビーカラーの音楽はなくならない。きっとそんなことなんて分かった上で今回の決断に至ったのだろうから、アイビーカラーを残す意味というのはこれから作られてゆくものなのかもしれないなあ。そうであってほしい。

 

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楽しい思い出を楽しいままにしておきたいし、ライブ中に寂しくなりたくないから、わたしはラストライブには行きません。ラストライブがどうなるかをその場で見届けたくないの。こんなワガママな気持ちになると思わなかった。

 

でもね、最後に言いたいのはね、わたしはアイビーカラーが大好きだってこと。それは間違いないよ。間違えるわけ、ないよ。わたしをライブハウスに連れて行ってくれてありがとう。