丁寧な大騒ぎ

想いが今 クリアになっていく

友情の賞味期限

 恋愛に賞味期限があるとはよく言うけれど、同じように友人関係にも賞味期限があることを、この歳になるまで考えたことがありませんでした。

 

 結婚適齢期(この言葉はもはや死語でしょうけれど、今なおイメージを伝えやすいので使います)をのらりくらり過ごしている身ですので、周りの友人の生活環境が変わるのを何度か見ています。現在進行形でも見ています。「女の友情は結婚や出産・子育てで変わる・消える」ことはこれまで結婚適齢期を過ごし戦い駆け抜けていった30代40代50代……のみなみなさまが作り上げてくださった「常識」であり「定説」であり、それをわたしたちは幾度となく目にし耳にし、信じ覚悟しているという点において、それが少なからず事実として在ることに異議を唱えるつもりはありません。勝手に主語を複数形にしてしまいましたが、少なくともわたしはそうでした。

 

 「いやいや!わたしは”少数精鋭”を貫いて生きているから、深く付き合える友人は数少ないし!そんな簡単に崩れるようなものじゃない!」と思いながらも、先のことなんてわからない、自分の感情だってころころ変わるのだからましてや他人の感情などコントロールすることはおろか把握だってしきれない、じゃあじゃああの子はわたしから離れていくのかな、なんてことを何度も思ってはGoogle検索に思いをぶつけ、そこにはただ「常識」があるだけで慰めてもらえるなんてこともなく、ずーん……寝不足…………という不毛な時間を過ごしてしまうのが生理前のよくあるパターン。一番素でいられる旧知の友人が結婚したら、嬉しいけど寂しいなあと思ってしまって今から泣いてしまうくらいです。重すぎ。彼氏がプロポーズしてくれないって彼女は嘆いていたけれど、だからといってわたしが彼女を奪えるわけでもないので、となればあとは彼氏が憎むか……ともいかず困っちゃいますね。なんて話はここで消化させてしまいましょう(※友人の彼氏はいい人です)。

 

 でもこういうことは、「信じ覚悟している」と書いたように、そのときが来るまでわからないものだという悟りもあるのです。そして今回のお話はそれとは別のおはなし。

 

*

 

 4月頃に読んだとある本に、「相手と自分の波動が合わなくなったとき縁が切れる」とあって、思わずページをめくる手が止まりました。言葉にして考えたことがなかったけど、たしかに。

 

 喧嘩別れをしたわけでもなく、相手に嫌なことをされて嫌いになったから自ら距離を取るようになったなどというわけでもないけれど、疎遠になった友人って、結構います。学校を卒業したから、住んでいた土地を離れたから、SNSのアカウントを変えたから。そうした環境の変化によるものであれば、なんら違和感もなく消化できたのですが、そうではない場合もあります。

 

 一時期はものすごい頻繁に遊んだり連絡を取っていたりしたからこそ、「あれ?いつから関係薄れていたっけ?わたし何かしたかな?」とさみしく思っていた友人がいます。でもそれはきっと、わたしが何かしたわけでもなく、彼女が意図的にわたしと連絡を絶ったのではなく(もともと仕事が忙しい人です)、波動が合わなくなっただけ。むしろ波動がものすごい合っていた時期があったから、あれほど仲良くなれたのだなあと妙に納得。その”ものすごい合っていた時期”のあと、わたし以外の人と”ものすごい合っている”様子を見ていたこともあり、「わたしと居るとき無理させてたのかな」なんてへこんでいたのですが、たぶんそれも違うんだろうな。

 

 気持ちにムラがあるという意味ではなく、波がある、というのは自然なことなのかもしれない。そう思えたらなんだかすっきりしました。縁が切れちゃうのは寂しいけれど。なんて思っていたら、ちょうど彼女に連絡を取るタイミングがあり、メッセージを数回重ねることができました(今回の事例においては縁が切れていなかったという結論になりそうだけど……まあそれはそれで!うれしいな)。

 

 とはいえいつかは切れてしまうのかもしれません。そのときが賞味期限なのかもしれません。今、わたしが仲良くしている大切な友人たちも、もしかしたら来年ふっと連絡が途絶えてしまうなんてこともあり得ないわけではないのです。でもそれはきっと、相手の波があるから。わたしにも波があるから。

 

 先を案じて嘆きたいわけでもないしできることならずっと仲良くしていたいけど(だからこそできる努力は惜しまない!時折ムラがあるけど……)、友情には賞味期限があると思っていた方がいいのかもしれないなあ。どの友人に対しても期限があるのかあるならいつなのか、そもそもある場合とない場合は何が違うのか単にタイミングの問題なのか……といったことはわからないので、何はともあれやっぱり「いま」を、「いま」わたしと良い関係を持ってくれる友人を、大切にしていたいと改めて思ったのでした。

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